保険診療
主な対象疾患をご案内します。
下記以外の皮膚疾患もご相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりをくり返す、「かゆみ」と「湿疹」を主な症状とする皮膚の疾患で、良くなったり悪くなったりを慢性的にくり返すのが特徴です。
一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。掻くことで湿疹が悪くなる悪循環を生じ、睡眠にも支障を生じることもあります。
アトピー性皮膚炎の治療について
外用療法(ステロイド、タクロリムス、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬などの塗り薬)で炎症を抑え、保湿剤で皮膚のバリア機能の低下を防ぐという組み合わせが基本的な治療となります。症状により内服薬を処方する場合もあります。
様々な要因で良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患ですので、医師と相談しながら治療していきましょう。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、頭部、顔面、胸部などの皮脂の多い部位に、黄色~銀白色のフケのようなものを伴った赤みやかゆみを生じる皮膚炎です。
また、治療を行ってもしばしば症状が再発することがあります。
乳児型は、一過性であり、正しいスキンケアによって自然治癒します。
成人型は一度発症すると、良くなったり悪くなったりを繰り返し、多くは慢性的な経過をたどります。なお、成人型は、40 ~ 50歳代以降の男性に多くみられます。
脂漏性皮膚炎の治療について
主に外用療法(ステロイド薬や抗真菌薬)で治療します。なかなか治りにくい疾患のため、生活習慣の改善とあわせて根気よく治療を続けていきましょう。
酒さ(赤ら顔)
酒さ(しゅさ)は、鼻やほほ、額などに赤みやニキビのような症状があり、ほてりやヒリヒリ感などもみられる疾患です。特に30~50歳代の女性に発症しやすい傾向があります。
酒さ(赤ら顔)の治療について
酒さ(しゅさ)の治療は、症状に応じて外用療法(塗り薬)や内服療法などを行っていきます。
赤い盛り上がりやぶつぶつは、一般的に数か月で改善が見られますが、赤みは症状が落ち着くまで時間がかかります。
酒さは良くなったり悪くなったりを繰り返すため、スキンケア(日焼け止めや保湿など)も行いながら治療を続けていきましょう。
乾癬(かんせん)
乾癬は、炎症性角化症といい「皮膚の炎症」と「表皮の新陳代謝異常」で起こる疾患です。
乾癬の皮膚は、炎症を起こす細胞が集まり活性化しているため、皮膚の赤みや盛り上がりがあり、ぽろぽろとはがれ落ちていきます。
乾癬の治療について
乾癬の治療は、症状の程度に合わせて外用療法(塗り薬)や内服療法などを行っていきます。環境の変化やストレス、体調により良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患のため、主治医と相談しながら用法用量を守り根気よく治療を続けていきましょう。
掌蹠膿疱症 (しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症は、ウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が、主に手のひらや足の裏に数多くみられる疾患で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。 スネや膝にも皮疹が出ることがあります。
掌蹠膿疱症の治療について
病気を悪化させる要因があれば取り除くようにし、もし、増悪因子がみつからない場合は、先ず外用療法を行います。かゆみが強かったり、新しい皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、良くなってきたら弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。
帯状疱疹
帯状疱疹は、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。
身体の左右どちらかに、ピリピリと刺すような痛みと、赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)にあらわれる疾患です。
帯状疱疹は、身体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある方は、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
帯状疱疹の治療について
抗ヘルペスウイルス薬を中心に行います。ウイルスの増殖を抑え、痛みなどをやわらげます。抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬は、効果があらわれるまでに2日程度かかります。
早期治療をするほど治療効果が期待できますので、帯状疱疹の特徴的な症状を自覚したら、できるだけ早く医師にご相談ください。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの感染によって唇やその周辺に水ぶくれや赤いブツブツができる感染症です。
一度感染すると神経に潜伏し、風邪や疲労、寝不足、ストレスなどによって免疫力が低下したときに症状があらわれます。
口唇ヘルペスの治療について
内服療法(抗ヘルペスウイルス薬)や外用療法を行います。口唇ヘルペスは、再発を繰り返すことが多いため、初期症状(ピリピリ、チクチクなど)が出た場合や水ぶくれができた後は、なるべく早く受診し内服を始めましょう(次の再発に備えることも大事です)。
内服等は医師の指示通りに服用しましょう。
水いぼ
ウイルスが原因で起こる皮膚感染症の一種で、子供に多い疾患です。
1~5mm程度の光沢のあるいぼで、胸、お腹、わきの下など皮膚の薄いところや擦れやすいところによくできます。感染しても症状が出るまでに14~50日程度かかるため、いったん治療して良くなったように見えても、潜伏期にあった目視できないウイルスによって、何度も水いぼが出てくることがあります。
水いぼの治療について
ピンセットで摘出する方法が一般的です。この治療は、つかみ取る際に痛みを伴うことが多いため、麻酔テープを事前に貼ってから摘出する方法もあります。
また、当院では、痛みを伴う治療をしたくないという方のために、水いぼ治療薬(外用クリーム、保険適用外)も導入しております。
他の箇所にうつったりすることがあるため、水いぼの数が少ないうちに治療を開始した方がいいでしょう。
多汗症
日常生活で困るほど大量に汗をかいている状態を多汗症と呼び、全身に渡って多量の汗を掻く全身性多汗症と局部(手のひら、わき 等)に限定された局所性多汗症があります。
さらに原因が分からない原発性のものと、他の病気に罹患していることなどが原因で生じる続発性のものに分けられます。
主に、わきの多汗症を原発性腋窩(えきか)多汗症と言い、手の多汗症を原発性手掌(しゅしょう)多汗症と言います。
わきの多汗症は20人に1人の割合でおり、特に10代~40代に多く、女性の割合が多い(6割ほど)と言われています。
多汗症の治療について
発汗を抑える目的で、わきの多汗症では、保険適用で外用薬(シートやゲルタイプの塗り薬)や症状により内服薬の処方をします。※ボトックスによる治療は行っておりません。
手の多汗症では、外用薬(ローション剤)を処方します(保険適用)。睡眠中、目などに触れてしまう場合は、手袋などをして対策をしましょう。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹とは、皮膚に蚊に刺されたような盛り上がり(膨疹)が突然現れ、かゆみを伴う疾患です。
蕁麻疹の症状の出方や重症度はさまざまですが、発症メカニズムの違いによって大まかに3つに分かれます。
①突発性の蕁麻疹(直接的な原因なく症状が現れる)
②刺激誘発型の蕁麻疹(特定の刺激やアレルギーによって症状が引き起こされる)
③それ以外の特殊な蕁麻疹
これらのうち、比較的よく見られるのは「突発性の蕁麻疹」と「刺激誘発型の蕁麻疹」です。
突発性の蕁麻疹では、1度だけ症状が出たり、数日で治まる急性蕁麻疹と、原因が特定できず、1か月半以上、皮疹が出たり消えたりが続く慢性蕁麻疹があり、慢性の場合は数か月~数年にわたって続くこともあります。
蕁麻疹(じんましん)の治療について
内服療法(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬)や外用療法を行います。原因が特定できる場合は、それらを避けるようにしましょう。
蕁麻疹の原因や治療の経過は症状によって異なりますので、医師の指示にしたがって治療を行っていきましょう。